転勤族のため何度も引っ越しを経験した私が、不用品回収業者と自治体で不用品を処分する上で、考えられるメリットとデメリットについて紹介します。
業者に頼むか、自治体を利用するか、どちらの方が便利なのでしょうか?
どちらも利用経験のある、私のリアルな目線で考察したいと思います。
引っ越しや片付けで不用品回収を考えていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてみてください。
筆者が利用した「不用品買取センター」とは
以前の引っ越しの際、いっそのこと家具をまとめて処分しようと思い立ち、「不用品買取センター」を利用しました。
- 見積もりが無料
- 急ぎの場合には即日でも対応してくれる
- パック料金の場合、追加料金が発生しない
- 部屋の中から搬出してくれるため、自分が力仕事をすることはない
- とにかく手間がかからない
私が不用品買取センターを選んだ基準は、このようなメリットがあったためです。
これだけを見ると「業者に頼めば楽で良い」と思えますが、自治体に頼むことのメリットももちろんあります。
これから不用品回収業者と自治体をどう使い分ければ良いのか、その判断基準を解説していきます。
不用品回収や粗大ごみ処分を依頼する時の手間
仕事が忙しくて、いつ不用品の処分しようか悩んでいらっしゃる方も少なからずいるのではないでしょうか?
まずは考えておきたいのが、不用品を「簡単に」処分できるかどうかです。
不用品回収業者
なんといっても不用品回収業者を利用する魅力は、手間がかからないこと。
どれを処分するのか考えておくだけで準備は終了です。不用品回収業者に依頼すれば、訪問の上、見積もりを立ててくれます。
部屋の中からの搬出作業も梱包作業も全てお任せできるので、自動で事が進んでいくのが嬉しいですね。
反対に、家の中に他人を招き入れたくない方や、コロナ禍で人との対面を減らしたいという方にとっては難しい方法です。
自身で搬出する手間は必要になりますが、申し込みの段階でその意思を伝え、対応が可能かどうか相談してみると良いかもしれません。
急な引っ越しで時間がないという場合には、最短で即日対応してくれることもあります。
忙しい人にとっては、日程調整に頭を悩ませずに済むのは嬉しいポイントではないでしょうか。
埼玉県の自治体
例えば大型の不用品、家具や家電などを処分するには、粗大ゴミとしての処分をイメージしますよね。
しかし、その不用品が粗大ゴミとして処分できるものなのか、家電リサイクル法の対象品であるのかを最初に調べる必要があります。
では、それぞれの処分方法を見ていきましょう。
粗大ゴミの場合
粗大ゴミの回収品目であることを各自治体のサイトで調べてください。
粗大ゴミ受付センターに電話、もしくはインターネットで申し込みをします。
コンビニエンスストアなどでゴミ処理用のシールを購入します。シールを不用品に貼り付けて、指定日に指定の場所へ排出します。
ここで考えられるメリットは、指定の場所に排出さえしておけば担当のスタッフと対面することがない点です。
このご時世、できるだけ人との接触を減らしたいとお考えの方には最適の方法かもしれませんね。
家電リサイクル対象品の場合
一般家庭から排出された家電製品から有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効活用を推進するための法律です。
冷蔵庫やテレビなどの大型家電は家電リサイクル法の対象になっています。
詳しくは、経済産業省|家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)でご確認いただけます。
これらは粗大ゴミとして処分ができないため、粗大ゴミとしては回収してもらえません。
処分したいものが家電リサイクル法の対象になっている場合は、家電量販店に回収の申し込みをするか、市が指定した一般廃棄物収集運搬業者に運搬を依頼する必要があります。
いかにも面倒そうに感じますね。
ここからは埼玉県の4都市について、上記それぞれの処分方法を具体的に紹介していきます。
- さいたま市
粗大ゴミを処分する場合:電話(048-878-0053)・インターネット
家電リサイクル法対象品を処分する場合:家電リサイクル券を購入し、市が指定する引取場所に搬入、もしくは運搬依頼(詳細はこちらから) - 川口市
粗大ゴミを処分する場合:電話(048-251-1111)・インターネット
家電リサイクル法対象品を処分する場合:家電リサイクル券を購入し、市が指定する引取場所に搬入、もしくは運搬依頼(詳細はこちらから) - 川越市
粗大ゴミを処分する場合:環境プラザ「つばさ館」が有料収集をしており電話(049-239-5056)にて申し込む。
当日立ち会いの上、その場で支払いが必要。
家電リサイクル法対象品を処分する場合:家電リサイクル券を購入し、市が指定する引取場所に搬入、もしくは運搬依頼(詳細はこちら) - 所沢市
粗大ゴミを処分する場合:電話(04-2951-1153)・インターネット
家電リサイクル法対象品を処分する場合:家電リサイクル券を購入し、市が指定する引取場所に搬入、もしくは運搬依頼(詳細はこちら)
そしてここで困るのは、家電リサイクル法対象品を処分する際に、一般廃棄物収集運搬許可業者へ運搬を依頼する場合です。
業者によって料金が異なるため、一番安い業者を見つけ出すためには全ての業者に問い合わせる必要があります。
忙しい主婦の皆さん、サラリーマンの皆さんは、きっとその時間がもったいないと感じますよね。
さらに、自治体での回収には「時間」がかかります。
申し込みをしてから、処分までに一週間以上かかることが多いため、急ぎの場合には利用できないと考えた方が良さそうです。
事前に計画を組んで、時間に余裕がある場合に利用されることをおすすめします。
まとめ:手間がかからないのはどっち?
それぞれの特徴をまとめるとこのようになります。
- 電話やネットで申し込むだけでスタッフが訪問の上、部屋の中から不用品を搬出してくれる
- 最短では即日で対応してくれる
- 粗大ゴミと家電リサイクル法対象品をまとめて依頼できる
- 電話やネットで申し込みの上、有料のシールを購入・不用品に貼り付け・搬出する必要がある
- 家電リサイクル法対象の家電は、家電量販店に持ち込んだり、一般廃棄物収集運搬業者へ依頼したりする必要がある
- 不用品の処分までに一週間ほどかかる
手間がかからない方法を選ぶなら、不用品回収業者に依頼するのが吉と言えそうですね。
不用品回収や粗大ごみ処分を依頼する時の費用
不用品回収の「手間」に限って言えば、不用品回収業者を利用する方がメリットがあるとわかりました。
しかし「費用」を重視すると、自治体の方が安いことがあります。
どんなときに、どちらを利用すればお得になるのか解説していきます。
不用品回収業者
ひとことで言うと、不用品が多いなら不用品回収業者がおすすめです。
まずは不用品が少ない場合、「ベッドマットレス1点を処分したい時」を例に考えてみます。
不用品回収業者に依頼するとサイズに応じて値段が変わる事が多く、「シングルで¥4,000〜、ダブルで¥5,000〜」と、1点の回収にしては高額に感じる料金設定です。
しかし、「たんすやソファー、ベッド本体も」となると話は別です。パック料金を定めている不用品回収業者に依頼するとお得になる事があります。
参考までに、私が利用した「不用品買取センター」では、不用品買取パックが用意されていました。
SSサイズの¥5,000から3Lサイズ(要見積もり)まで展開されており、ちょっとしたお片付けなら安くで済ませることができます。
他にも「軽トラに載せ放題」などのプランも多く見受けられますので、不用品が多い場合にはぜひ調べてみてください。
引っ越しや、ゴミ屋敷の片付け時には断然おすすめです。
不用品を買い取ってくれることもあるので、見積もりより安く済む可能性もありますよ。
埼玉県の自治体
自治体での処分を考えるなら、一点あたりの引き取り金額が安いため不用品が少ない方へおすすめします。
前項の例と同じく、埼玉県の4つの市で大型の粗大ゴミを処分する際の価格をまとめてみました。
- さいたま市:¥2,200
- 川口市:¥1,860
- 川越市:¥1,000
- 所沢市:¥2,000
市によって変動はあるものの、「一点だけ不用品を処分したい」と言う場合には不用品回収業者よりもかなり費用を抑えられそうですね。
※サイズによっては変動する可能性があります。必ずご自身でサイズを計測の上、各自治体へお問合せください。
まとめ:費用がかからないのはどっち?
費用は場合によって、かなりばらつきがあることがわかりました。
どういった場合にどちらを利用すれば安く済むのかおさらいしておきましょう。
- 不用品が少ない場合、割高になる可能性がある
- 不用品がの数が多い場合、パック料金で安くなる可能性がある
- 不用品が少ない場合、一点当たりの処分費用を安く抑えられる
- 不用品の数が多い場合、運び出しの手間が増える上、不用品回収業者と費用が変わらない可能性がある
ご自身の状況に応じて、よりお得な方を選んでくださいね。
不用品回収や粗大ごみ処分を依頼する時の安全性
残念なことに、不用品回収にまつわるトラブルの相談件数は、ここ20年ほどで5倍以上にのぼっているそうです。
お年寄りを狙って作業費をぼったくる業者も存在しているため、どの業者に依頼するかはよく吟味しなくてはいけません。
では安全性で比べるなら、不用品回収業者か自治体か、どちらが良いのでしょうか。
不用品回収業者
不用品回収業者に「優良業者」はもちろん存在しているものの、残念ながら「悪徳業者」も多い業界です。
資格がないにもかかわらず運営している会社や、回収した不用品を不法投棄している会社、見積もりよりも高額な請求を後から求めてくる会社もあります。
マイナスなイメージを持ってしまったかもしれませんが、信頼できる優良な会社はたくさん存在しています。
過去の実績や口コミなど、事前にしっかり調べてから申し込みするように気をつけましょう。
埼玉県の自治体
自治体で申し込めば、トラブルに巻き込まれることはほぼないと言えるでしょう。
手間をかけてでも安全に処分したい場合には、一番確実な方法です。
ただ気をつけたいのは、家電リサイクル法対象の家電を処分する際です。
必ず各自治体が定めている「一般廃棄物収集運搬許可業者」に運搬依頼するようにしてください。
こちらも無許可の業者が存在する可能性はありますので、各自治体のホームページで調べてみてくださいね。
まとめ:安全に利用できるのはどっち?
願わくは何のトラブルもなく不用品の処分を終えたいものですよね。これまでに話した内容を以下にまとめてみました。
- 業者選びを間違うとトラブルに遭う可能性がある
- 事前に業者をよく調べる必要がある
- きちんと自治体のホームページを見て対応すれば、ほぼトラブルに遭うことはない
確実で、安全な方法を選ぶなら自治体に軍配が上がりそうです。
結局、不用品回収業者と自治体どっちが便利?
どちらが今の自分に合っているのかは、処分したい物の量や、何を一番重要視して処分したいかによって変わります。
そのため一概には「こちらがおすすめ」とは言えませんが、それぞれのメリットをまとめると以下のようになりますので参考にしてみてください。
- 急ぎの場合でも、即日での引き取りが可能
- 搬出から処分までまとめてお任せでき、手間がかからない
- 不用品が大量にある場合、自治体での処分より安くなることも
- 買取してくれる可能性がある
- 不用品が少ない場合には処分費用が安く済む
- 指定の場所に排出しておけば、立ち会う必要がない(自治体により異なります。)
- トラブルに遭う可能性が少ない
さらに、重視する項目ごとに分けるとこのようになります。
- 手間をかけたくない場合
→即日対応も可能で、搬出から処分までまとめてお任せできる不用品回収業者に依頼 - 費用を抑えたい場合
→不用品が少量なら、自治体のサービスで処分
→不用品が大量なら、不用品回収業者で処分 - 安全に処分したい場合
→トラブルに遭いにくい自治体のサービスで処分
あなたは何を基準に選びますか?
今一番重視すべきことを決めてから処分方法を検討してみてくださいね。