どんなに感じがいい業者だったとしても、ゴミを処分・回収する業者として営業をするのであれば必要な許可(資格)を持っていなければなりません。
それを知らずに依頼してしまうと、自分も違法とみなされ処罰の対象にすらなり得ます。
自分の身を守るためにも、不用品回収業者をどのような基準で選べばいいのか知っておきましょう。
不用品回収業者を選ぶ際は『許可(資格)』があるかが重要
悪徳な不用品回収業者の多くは、必要な許可を持っていません。
私たちは不用品回収を依頼する前に、許可を持っている業者かどうかを調べる必要があります。
ここでは次の許可について解説します。
- 一般廃棄物収集雨運搬許可
- 古物商許可
- 産業廃棄物収集運搬許可
一般廃棄物収集運搬業許可とは
- 一般家庭で発生したゴミ
- 事業で発生する産業廃棄物以外のゴミ
上記を収集するために必要な許可です。
しかし取得には各自治体の長の許可が必要で、非常に難しいとされています。
その理由は、現在新規の一般廃棄物収集運搬業者を募集していない市町村がほとんどだということです。
行政が「十分に収集業者は足りている」という判断をしている限りは、そもそも申請しても許可がおりません。
反対に、許可を持っていれば行政から信頼されている業者であると認められたことになります。他との差別化ができるとして、取得を目指す業者は少なくありません。
古物商許可とは
古物営業法で定められている古物を、売買または交換する際に必要な許可のことをいいます。
取得のためには管轄の警察署へ届け出て、審査に通過しなければなりません。
この審査の際には、営業所を1つ以上記入することが求められます。
古物商許可の申請で賃貸物件を営業所として申し出る場合、以下を明示する必要があります。
- 借りている人物は古物の申請者本人である
- 賃貸借契約書の「使用目的」の項目が古物の営業所として使用可能な状態である
要するに古物商許可を持っているということは、営業所の所在がはっきりしているということです。
一方、悪徳業者の特徴には「営業所・事業所を持っていないこと」があげられます。
「営業所を持たずに営業している」という言い訳をする業者は、古物商許可は取得していないと考えて良いでしょう。
不用品回収業者との契約の前には「許可の有無と、営業所の有無」を確認しておきましょう。
産業廃棄物収集運搬許可とは
産業廃棄物の収集・運搬を行うため、都道府県知事から与えられる許可のことを言います。
事業活動に伴って排出される廃棄物です。
廃棄物の種類は法律で定められており、燃え殻・紙クズ・鉄クズ・廃油など20種類に分類されています。
これらを廃棄するためには産業廃棄物収集運搬許可をもった業者に依頼する必要があり、万が一無許可の業者に廃棄を委託した場合には依頼した側も罰せられる可能性があります。
産業廃棄物収集運搬許可の取得には4つの要件を満たす必要があり、簡単に取れるものでもありません。
その要件について噛み砕いて説明します。
- 暴力団関係者である、などといった「欠格要件」に該当しない
- 指定の講習会を受講し、修了書の交付を受けている
- 債務超過でなく、事業を継続的に行う経済的基礎がある
- 回収したゴミを適切に扱うために必要な施設・車両を持っている
このような基準をクリアした業者が許可を得られます。
不用品回収業者を選ぶ時の基準
許可を持っている業者が信頼できることは分かりましたが、それでも平然とぼったくる業者は存在しています。
他にはどのような基準で業者を選べば安全なのでしょうか？
ここでは7つの判断基準と優良業者を見極めるため、反対の悪徳業者の特徴もあわせて紹介します。
不用品回収を依頼される際はぜひ参考にしてみてください。
1. 言葉遣いや服装などの基本的なマナーがなっているか
悪徳業者の場合に見受けられるのが、マナーや身だしなみがなっていないことです。
その理由は「そんなことにお金をかけるのがもったいないから。」利益を得るための行動に注力しているため、服装がだらしないこともあるようです。
優良な業者であれば、リピーターを獲得することや良い口コミをもらうために、長期的な施策としてスタッフの教育に力を入れています。
印象の悪い業者と契約しても気持ちの良いものではありませんし、その直感が当たる可能性があります。
悪徳業者にあたるリスクを避けるためにも、疑問に思うような対応をされた場合は依頼をやめておきましょう。
2. 不用品を回収した実績が多数あるか
ホームページ上で過去の依頼内容や実績を公開しているかどうかは良い判断材料になります。
作業前後の写真やお客様の声が掲載されていれば、なおさら目に見える形での実績確認ができて参考になります。
具体的に「ご依頼件数◯件突破」などと数字が記載されている業者も、実績がはっきり分かって依頼しやすいですね。
さらに過去の依頼者の「生の声」を聞きたいという方は、Googleマップで不用品回収業者の口コミを調べてみると良いかもしれません。
忖度のないストレートな意見を見られることもあり、参考にしやすいです。
3. 依頼主が高齢の場合は単独で契約させないか
残念ながらお年寄りをターゲットとしている業者は多くあります。
「怖くて断れない」という心につけこんで、大柄な男性を訪問させる事例が多発しているようです。
いきなり訪問してきて、「今なら無料」などと判断を煽ったり、誰かに相談する隙を与えさせなかったりする業者は要注意です。自分達のペースで自分達の都合の良いように作業を進めてしまいます。
優良な業者なら誰かと相談する時間をくれますし、急かすようなこともありません。
家族に相談して怪しい業者ではないか確かめる時間をもうけ、他の業者と相見積もりした上で契約を進める方法が安心です。
相見積もりをしておけば、以下のようなメリットがあります。
- 不用品回収の相場がわかる
- 安い業者を探せる
- 値段交渉しやすい
お年寄りが周りにいらっしゃる場合は、詐欺被害に遭わないよう「訪問してくる業者には依頼しない」ことを共有しておきましょう。
4. 保証などのアフターフォローがしっかりしているか
万が一作業中に家の中を傷つけられたら、補償をしっかりしていただきたいところですよね。
優良な業者であれば、ホームページに「請負業者損害責任保険」に加入していることを明記しています。
もし記載がない場合は、見積もりの作成を依頼する際に質問しておきましょう。
請負業者損害責任保険に加入している業者を選んでおけば、次のような場合でも保険が適用されます。
- 資材が倒れ、依頼者がケガをした
- 建物を傷つけた
- 荷物が壁にぶつかって補修が必要になった
トラブルが発生してしまった場合にも誠意を持って対応してくれる業者と契約したいですよね。
5. 見積もりの内訳がしっかり明記されているか
これは非常に重要なチェックポイントですので、4つに分けて紹介します。
1.「別料金」の項目には要注意
悪徳業者の特徴は、見積もりが曖昧ということです。
作業前に「全部で20,000円で引き取る」と言っていたにもかかわらず、支払いのタイミングで「20,000円は作業費だから、出張費と運搬費であと40,000円かかる。総額60,000円を支払え」と言い張って高額請求してくる事例もあります。
見積書に「別料金」というような項目があると、例のように作業後に追加で請求される可能性があります。
優良な業者であればそのような記載はしていませんので、「別料金」項目を設定している業者の利用は避けた方が無難です。
2.見積もりに詳細な金額が書かれていない
見積もりを受け取った際、具体的にチェックする箇所を紹介します。
- 出張料
- プラン料金
- 買取料金
- スタッフ追加料金
- 車両費
上記が細かく書かれているかどうかを見てください。
もし各項目に金額の記載がなく「総額料金」のみが記載されている場合、作業後に各項目に金額を書き足して総額料金をあげる目的があるかもしれません。
3.総額料金だけを確認するのは危険
各項目に記載がある場合も安心とは言い切れません。
総額料金だけで判断すると他社より安く見えるのに、内訳を見ると「スタッフ追加料金が30,000円」などと高額な場合もあります。
相見積もりをした結果「スタッフ追加料金の相場は5,000円だった」なんてこともあり得ますので、見積もりの詳細にはきちんと目を通してくださいね。
4.損のない見積もりにするためにできること
最も安全な見積書は、備考欄に「当日の追加料金の請求はしません」「当日不用品回収品が増えない場合以外に、追加料金は発生しません」などと記入されているものです。
もし未記入の場合には依頼もできますので、自分の身を守るためにも先手を打っておきましょう。
まとめ：見積もりのチェックポイント
- 「別料金」などの怪しい項目がないか
- 項目ごとに金額が書かれているか
- 項目ごとの金額が高すぎないか
- 備考欄に「追加請求なし」と書かれているか
以上を確認しておくことで、こちらに損のない見積書を作成してもらうことができます。
契約前に注意深くチェックしてみてください。
6. 質問したことに対してしっかり回答してくれるか
疑問点は全て解消してから契約に進みたいものですよね。
それでも優良な業者であれば、回収の内容や金額についての質問にしっかり答えてくれます。
しかし悪徳業者の場合は、次のようなことがあります。
- 曖昧な返答しかしない
- 話をそらす
- お金の話になると急に態度を変えて高圧的になる
回答できない後ろめたいことがある、という可能性が高いため、契約は避けておくのが無難です。
少しでもリスクを避けるため、質問に対して「納得のいく明確な答え」をくれる業者と契約してくださいね。
7. 希望に合わせてベストなプランを提案してくれるか
優良な業者であれば、不用品の量と予算もふまえたプランを提案してくれます。
お客様ファーストの対応をしてくれる業者は安心と考えて良いでしょう。
しかし悪徳業者はそもそもプランがないこともあります。さらにお金をぼったくることが目的のため、「こうした方がいい」などのアドバイスもありません。
親身になって対応してくれるか、というのも判断基準としてお考えくださいね。
自治体のWEBサイトで紹介されている業者を選ぶ
手っ取り早く安全な不用品回収業者を探したいという方は、自治体のWEBサイトを見るのも一つの手です。
各自治体のサイトで紹介されている業者は、健全な運営をしていることが確認された業者ということになります。
市区町村のリサイクル課に問い合わせても教えてもらえますので、参考にすると良さそうです。
安心して契約できる可能性が非常に高いため、リスクを避けたい方におすすめします。
しかしサイトの広告やバナーに出てくる業者の中にはさまざまな業者がいますので、あくまでも「自治体が直接紹介している業者」に限って信用できるものとお考えください。
とはいえ自治体で紹介されている不用品回収業者に頼みたくとも、予算に見合わないこともあり得ます。
それらの業者と並行して、他の不用品回収業者との相見積もりも進めておくことをおすすめします。
私が実際に利用した不用品回収業者については、以下のサイトで紹介しているのでぜひ参考にしてみてくださいね！
【不用品回収業者VS埼玉の自治体】粗大ゴミ処分はどっちが便利なのか比較！
