不用品回収と言っても、要らないものならなんでも回収してくれる訳ではありません。
作業が始まってから「実はこれ、回収できません……」と言われて困ることがないよう、回収できない品目がなんなのかを事前に知っておくと便利です。
回収できない理由と、処分方法もあわせて解説していきます。
不用品回収業者が回収できないもの
代表的な品目を9つご紹介します。
1. 食品類
腐敗する可能性があるため、生ものだけでなくビン詰めや缶詰、乾物なども回収できません。
処分するには中身を出して、自治体の回収で燃えるゴミとして出します。容器はそれぞれ対応する日の回収に出してくださいね。
中には、食品リサイクル法の許可を取得している業者もあります。
もしこういった業者を見つけられれば、食品を含む生ごみを回収の上、肥料や飼料などに変えて有効活用してくれます。
専門の業者なら回収してくれるということも覚えておくと、いざという時に便利ですね。
2. 汚物
嘔吐してしまった場合のゴミは、ノロウイルスのような感染力が高い菌を持っている可能性があるため、不用品回収として処分はできません。
自治体によっては、以下のように対応が分かれています。
- 吐瀉物に限らず、その掃除に使用した手袋、雑巾、マスク、新聞紙などはビニール袋に入れて消毒薬を注ぎ、密封の上で燃やすゴミに出す
- 自宅トイレに流すなどして、自治体での回収不可
お困りの方は自治体のゴミ分別サイトを調べてみてください。
また、便や尿の処分についても同じく、不用品回収業者での処分はできません。
普通に生活している場合はトイレに流せますので問題にはなりませんが、部屋で孤独死されたケースでは考えなければなりません。
亡くなった方のお部屋の整理や片付け、ゴミの回収を不用品回収業者に依頼する場合、汚物の有無を確認しておくことが必要です。
少量ならトイレに運んで流せますが、もし状況がひどいようなら特殊清掃業者に依頼する方が早いこともあります。
3. 生ごみ
生ごみは自治体にて処分できますので、燃えるゴミとして出してください。
ここで言う生ごみは食べ残しや野菜のくずのことを指しますが、放置すると腐敗するようなものは、全般的に不用品回収業者では回収してもらえません。
4. 可燃性の危険物
中身の入ったスプレー缶やカセットコンロのガスボンベなど、爆発の危険性があるものも回収できません。
捨て方さえ守れば各自治体で処分できますので、捨て方の注意事項などを確認しておきましょう。
他にも、ガソリンや灯油には引火する恐れがありますので回収不可です。
どちらもガソリンスタンドで引き取ってもらえることがありますので、問い合わせてみてください。
5. 医療廃棄物
注射器などの医療廃棄物はウイルス感染の恐れがあるため回収できません。
ペットボトルやビンに入れても回収不可です。
専門の業者に依頼するか、かかりつけ医や薬局にて医療廃棄物として処分を依頼する必要があります。
6. 生き物の死骸
ペットが亡くなった場合、死骸を回収に出すことはほぼ不可能です。
霊園などの葬送業者で火葬や埋葬していただきましょう。
ただし、生物の死骸を扱う専門業者であれば相談の上、回収が可能なこともあります。
また、生き物を手放したい場合にも不用品回収業者には依頼できませんので、保健所や保護施設に相談してください。
遺棄することは厳禁です。懲役や罰金に処せられます。
7. 特殊な薬品が残っているもの
薬品などの化学系廃棄物は専門の処理業者で処分が必要です。
ひとつひとつの量が少ないとしても、有害性や危険性が高いものも含まれるため、不用品回収のゴミに混ぜてはいけません。
また、農作業や動物の飼育の上で使用する特殊な薬品も、中身が残ったまま不用品回収には出せません。
役所に問い合わせたり、専門業者による処分が必要です。
8. 明らかな盗難品や違法性があるもの
所有権・著作権・肖像権など他人の権利を侵害する可能性のあるものや、回収することによって犯罪に加担してしまう可能性があるようなものは回収できません。
9.個人情報が載っているもの
個人情報の漏えいにつながる恐れのあるものは回収できません。
- 免許証やパスポート
- 機密情報が入ったCD・パソコンのハードディスク
- 企業名が入っているもの・個人名が書かれているもの
データを完全に抹消し、シュレッダーなどで復元できないようにした上でゴミに出すようにしてください。
業者によっては回収できるもの
上記以外にも、基本的に回収していないと思ったおいたほうがいい品目が存在しています。
しかし、数は少ないながら、それらを回収してくれる業者もありますので、お悩みの方は一度相談してみてください。
量によっても回収が可能か不可能かがわかれるので、正確に伝えて見積もりをしてもらいましょう。
1.生木、土、コンクリートブロック
ガーデニングを趣味にする人が増えたため、関連の廃棄物を回収できる業者が増えてきています。
不要な植栽を伐採して回収してくれることもありますので、お困りの方は相談してみてください。
2.砂畳、瓦などの建築廃材品
これらは全ての不用品回収業者が回収できるわけではありません。
家のリフォームなどで多くのゴミが出た場合は産業廃棄物としての処分を考えましょう。その場合は「産業廃棄物処分業許可証」を持っている業者へ委託してください。
少量の場合、粗大ゴミとして処分する方法もあります。各自治体が定める方法にのっとって回収してもらいましょう。
3.泥、大量のガラス
産業廃棄物にあたるゴミの場合は、こちらも「産業廃棄物処分業許可証」を持っている業者しか回収できません。
これから依頼しようとしている業者にその許可があるのかを確認してください。
4.廃タイヤ
個人所有の場合、タイヤは以下の場所・業者などで処分を依頼できます。
- ガソリンスタンド
- 整備工場
- タイヤ販売店
- 一部の不用品回収業者
不用品回収業者では回収できないこともありますが、上記の方法で処分できることも覚えておくとよいかもしれません。
5.ピアノなどの超大型なもの
ほとんどの場合、ピアノやオートバイ、金庫など、運び出すのに特別な重機が必要なものや、重量のあるものを引き取ってもらう場合には専門業者を呼ぶしかありません。
しかし対応が可能な回収業者も存在していますので、まずは一度相談してみてください。
物によりますが、リサイクルショップやフリマアプリ、不用品買取業者で売却できないかどうか、あわせて検討しても良さそうです。
6.仏壇・仏具、神棚
再販売しづらく、宗教的なものは扱いが難しいことから回収できないとしている業者もあります。
しかし、仏壇などを処分する専門業者も存在します。
中には配送を受け付けており、どこにお住まいの方でも利用できる便利な業者もありますよ。
もし不用品回収業者が見つからない時には以下のような方法もあります。
- お寺で御霊抜き(開眼供養)をしてもらい、お焚き上げ
- 仏具店に依頼
- 神社で祈祷してもらい、お焚き上げ
- 自治体の粗大ゴミに出す
後ろめたさのない処分方法を選ぶか、コストを抑えるか、などの判断基準によって処分方法を考慮するとよいでしょう。
「どんなものでも回収・処分します!」と言われた
ここまで読んでいただければ、「100%なんでも回収・処分できる」業者はいないはずだということがお分かりいただけたかと思います。
しかし「なんでも回収&処分する」と言い切る業者は存在しています。
不法投棄が当たり前の違法業者か、ゴミの知識がないのにお金もうけのためだけに営業している業者の可能性がありますので注意してくださいね。
もし違法な業者に回収を依頼してしまうと、依頼した自分が罪に問われる可能性もあります。
不用品回収業者として必要な許可を持っているかを確認し、契約前に見極めることが大切です。
私が実際に利用した不用品回収業者は、以下の記事で紹介しているので是非参考にしてみてください!